AIはDJの仕事も奪うのか

どうもキヨシロー(@RevoKiyo)です。最近、母方の祖母が亡くなりまして、昔から可愛がってくれていた一番近い、ばあちゃんなので、ショックです。

まあ闘病生活が続いておりましたので、覚悟はできていましたが。そんな祖母が、亡くなる1週間前から、危篤状態になりまして、実家に行って家族交代で付きっきりで、少し落ち着きを取り戻しました。

その実家で付きっ切りのとき、タイトルにつながる事件が起きました。その事件はもう少し後に。

目次
・AIという技術
・現段階でAIで出来るだろうこと
 ①リリックごとにカテゴリー分けする
 ②違和感なくMIXできるか
・いかに人間らしいプレイをするか
・祖母の家で起こった事件
・終わりに

 

・AIという技術

話しは変わりますが、AIというテクノロジーの話し。いわゆる人工知能です。最近ではどんな商品でも【AI】や【スマート】なんて頭につけた商品が売っておりますが、大概はAI風なだけで、便利にプログラミングされているだけの商品が多いです。

AIの定義は、あいまいなのですが人間が、『この場合はこう動く』などプログラミングを人間が細かに施していたのが、自動的に機械が判断してデータを機械が集め、適切に動くという『機械学習』それらを応用した「ビッグデータ」「IoT」などです。

AIという技術が実用レベルになり、誰しもが簡単に利用できるようになれば、コンビニの店員さんや、タクシーの運転手さんや融資を判断する銀行員などの職業が何年後まで存在するのか。

これらは悲観的になる必要なく、とても素晴らしいことでガラっと世の中を変えるかもしれないレベルの段階に来てるのかもしれません。

ただ私の夜な夜なクラブでやってるDJ (レゲエで言う、セレクター・サウンドのこと) これらがAIに奪われたら絶対に嫌だ。これだけが唯一、自分が体を動かしてやりたいことなのです。

 

・現段階でAIで出来るだろうこと

もしAIがDJをしたらば、おもしろいプレイが出来るだろうか?もしかしたら負けるか?私よりボスったら(盛上げたら)どうしようか・・・と恐怖に怯えながらも、AIの技術が発展しないことを願っているだけじゃ、いずれ抜かされてしまうと考えています。

①リリック(歌詞)ごとにカテゴリー分けする

ビッグデータと言いまして、巨大で複雑なデータを解析、検索などが可能です。
リリックのなかで、一番登場する車のメーカーってなに?
リリックのなかで、一番登場するブランドってなに?
以前、記事でこれらを取り上げたのですが、これらは https://genius.com/ に掲載されるリリックを解析したグラフを指標に、どの車のメーカーが、どのファッションブランドが多いかをグラフ化しています。

これらの技術を利用し、大まかにどのような内容の歌を歌っているのかを、どのような”単語”がどれくらい登場するかでカテゴリー分けすることが可能です。

”KILL”という単語が何回以上登場すると、バイオレンス【violence】フォルダへ
“Fu〇k”と”Gyal”という単語がセットで何回以上登場すれば、セックス【sex】フォルダへ

このように出てくる単語を解析して自動的にどのような内容の歌なのかのカテゴリー分けを自動でします。これで「リリックがバラバラでMIXされてるじゃないか!」問題は解消できると思います。

こちらのサイトもおもしろいのですが、ラッパーがリリックの中に登場する、単語のボキャブラリーを指標化して、一目で見れるサイトです。おもしろいですよ。
ラッパーの単語ボキャブラリーランキング

②違和感なくMIXできるのか

基本DJは、違和感無くMIXできるのかということも大切です。上でカテゴリー分けした曲を上手にAIはMIXして繋いでいくことができるのかということです。

『曲のテンポをはかる』なんてことは自動でもちろんできます。PCをつかってDJしてる人は、ボタンひとつでその曲のBPMがでてくるようになっています。あとはBPM +-〇で自動でプレイリストを組んでもらう。

2014年の時点で、既にパイオニアが自動でMIXしてくれる【MIXTRAX】というソフトウェアはリリースしておりまして、「サビから次のサビまでかけて次の曲のサビへ」などは出来ます。ただ2015年より、昨日がアップデートはされておりませんので開発は止まっているかもしれませんが。

他にMIX系ソフトウェアの走りである【Splyce】では自動で盛り上がりを検出してMIXしてくれるものもあります。こちらもいろんな企業から、出資されておりますが、開発は止まっております。

参考URL:MIXTRAX HP http://www.mixtrax-global.com/jp/

 

・いかに人間らしいプレイをするか

自分がプレイするときに気をつけていることや、他のDJがプレイするときに「この人はおもしろいプレイをするな~」と感じるところは、上に挙げたような「綺麗にMIX出来ているか」ではなく、自分が予想できないタイミングで曲が入ってきたり、「同じような歌詞の曲を繋いでるな~」ではなく、「あえてこの部分に関連させて、このDJは繋いだのか?」と思わせる選曲におもしろさを感じます。

AIや機械では出来ないような、人間しかできないようなプレイをするようにしたいですし、ダラダラ繋ぐだけのプレイを自分でしてしまった日には、「こんなプレイでは自分じゃなく機械がやったほうがおもしろいんじゃないか?」と思います。

12年前ぐらいからクラブに遊びに行ったり、DJのLIVE音源を聞いたりしているのですが、明らかに近年、パーティでの選曲の展開を変えるのが早くなっていると思うのと、プレイしている側としても展開が少なく、一辺倒なプレイをしようものなら、飽きられてる。退屈しているのがすぐに分かります。

これは、スマートフォンの存在も影響していると考えており、明らかに退屈だと感じる時間が短くなってると思っています。

トイレで用を足すとき、スマホを持って行ってしまうし、パソコンでYoutube動画を30分見ていたのが、スマホではInstagramで1分動画を、1分でも長く感じるようになり、Tik Tokでは15秒の動画に、Z世代は夢中になっています。

映画『君の名は』の大ヒットの秘密には、スマホ世代に支持されて、世界何十カ国で上映されたとも言われています。過去 〜 未来への時間も頻繁に行き来し、登場人物の目線もコロコロ変わります。展開が早く、飽きる前に展開が変わり観るものを飽きさせません。

選曲でも、Dancehall,Afrobeats,Hip hop,等様々なジャンルで展開も変えながら、リリックの内容でも展開をつけ、男向け,女向けも考えてプレイしないといけません。

自分のプレイ時間のなかで、緩急や展開を変えながらAIや機械には出来ない、人間にしか思いつかないような選曲をしたいですね。

 

・祖母の家で起こった事件

祖母が危篤状態で家族が実家に集まり、ベットの周りに集まっていた時のことです。

祖母は癌で、下半身付随から徐々に腕から手先まで動かなくなっていきまして、電話を手を使わずアレクサ!と話しかけるだけでかけれるようにと、家族達が出先からでも、祖母の顔を見れるようにAmazon Echo Spotをプレゼントしていました。

祖母が元気な時、「美空ひばりが聞きたいなぁ〜」と言うので、Amazon Musicに入会してあげて、退屈しないようにしてあげてました。

危篤状態ではありながらも、家族の声だけに、微かに反応する状態でした。私は祖母が大好きだったあの美空ひばりをかけてやろうと思い、アレクサにお願いしました。

「アレクサ、美空ひばりの曲をかけて!」

アレクサが答えました。「美空ひばりの曲を再生します」

あまり美空ひばりの曲は知らないんですが、明らかに場違いな、陽気な音色のイントロがかかり始めました。

そうです。数ある美空ひばりの曲の中から、最も賢いとされるAIスピーカーの『アレクサ』が、美空ひばりのお祭りマンボをかけたのです。

数ある美空ひばりの曲の中で、この状況でお祭りマンボをチョイスしたのです。

私なら、愛燦燦(あいさんさん)をかけ、

潸々(さんさん) この身に落ちて
わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして
人は哀しい 哀しいものですね

家族が愛おしいばあちゃんの手を握り、想い出に浸ることもできただろうし、

もしくは名曲。川の流れのようにをかけ

ああ 川の流れのように
ゆるやかに
いくつも 時代は過ぎて
ああ 川の流れのように
とめどなく
空が黄昏に 染まるだけ

ばあちゃんの人生にお疲れ様って声をかけるがごとく、家族で側についていたかった。

それがあのアレクサは、美空ひばりの曲の中で、一番この状況に合ってない曲、『お祭りマンボ』を選曲した。

雨が降ろうが ヤリが降ろうが
朝から晩まで おみこしかついで
ワッショイワッショイ
ワッショイワッショイ
景気をつけろ 塩まいておくれ
ワッショイワッショイ
ワッショイワッショイ
ソーレ ソレソレ お祭り

静かに泣く家族を、このリリックが空間を切り裂く。母が「アレクサ、止めて!」と静かに言う。アレクサはこんな時に限って反応しない。

母が強く「アレクサ、止めて!」アレクサの部分だけに反応して、マンボは少し小さくなるが、止めて!の部分を聞き取れてない。またマンボは大きな音に戻る。

母はアレクサ、止めて!!!!」叫びやっとこさ効果音と共に止まった。私は場を和まそうと、美空ひばりの中で、一番かかったらあかん曲かかってもうたなぁ。。。と発したが、そんな言葉では取り返しがつくはずがない。

まだAIには負けないな。と確信した瞬間でした。

 

・終わりに

Spotify CEOのダニエル・エクが「究極的には画面に大きく再生ボタンがひとつあり、そのボタンを押せばその人が聞きたい曲が聴けるのが理想です。」と言っていました。

AIは、まだそのレベルには、全然達していなかった。【ばあちゃん、お祭りマンボ危篤事件】の翌日から、一週間はすこし喋れるぐらいには意識を戻しましたが、ちょうど一週間後の2019年1月24日に他界しました。

でもAIはDJをまだ殺せないな。という話しでした。

それではお聞きください。美空ひばりで、『お祭りマンボ』です。

 

Forward

 

AIというものを知るためには、とても分かりやすい本でした。オススメです。

 

散々、アレクサの悪口言いましたが便利です。オススメです。

 

2 Responses

  • これな...この曲オカン、スゴイ好きやってん(๑>◡<๑)

    小さい時『ユウ...こんなん歌わないとあかん!!覚えて、おかーさんに歌って聞かせて!!』って何回も覚えさそうとしてた♫

    アレクサ...まちがってなかったで(T ^ T)

    最後まで、笑ってて欲しかったんやと思う(*≧∀≦*)

  • 空気めちゃ凍りついたけどなw
    そうなんか。笑
    ばあちゃんのリクエストなら良かった。

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