【無敵の人】”JOKER”のような人を生まない為には

どうもキヨシロー(@RevoKiyo)です。先日いま、話題の映画。【JOKER】とやらを観に行きました。

前評判を軽く、頭に入れてから観に行ったのでかなり楽しめ?ました。

というよりか、楽しい映画ではないということは先に、言っておきたいですね。

かなり考えさせる、社会の闇を描いた映画です。映画の舞台である、アメリカはもちろん、日本でも現実に起こっている、問題、犯罪を描いています。

まだこの映画を観ていない方も、観た後の人にもネタバレはせず、どういう心構えで観れば良いか、こういったところを考えながら、感じながらみたら面白いのではないか?ということを書ければと思います。

 

目次



・”JOKER”が生まれた背景を描くストーリー

・”無敵の人”による、殺人
・「一人で死ねよ」論争
・JOKERが生まれない社会が理想

 

 

・”JOKER”が生まれた背景を描くストーリー

ホアキン・フェニックス演じるジョーカー

 

まだこの映画を観ていない方に言いたいのは、【ダークナイト】や【バットマン】に登場する敵キャラの【JOKER】ですが、CGを期待した”派手なアクション映画”を期待して観に行くと、きっと後悔します。

1人の悲しい男が、犯罪者になるまでの経緯や周囲の冷たい人により犯罪者へと変わっていく様子をシリアスに描いています。

そしてアメリカが抱える、ゴミ問題や福祉の問題、上流階級との格差の問題も複雑に描いたストーリーです。

映画館で見た後、「よかったね~!」とルンルンでデートの続きを楽しむような映画では無いことをお伝えします。

現実社会の根深い問題を”JOKER”を通じて、訴えかける映画なので、私としてはかなり考えさせられる映画でしたので、今急いで、ブログに吐き出している次第です

ちなみに一緒に行った、彼女は「わからない。難しい。何を楽しめば良いかわからない」と満足気では、無さそうでしたので観た後の意見は分かれるだろうと思います。

 

・”無敵の人”による、殺人

この”無敵の人”とは、『2ちゃんねる』の創設者、ひろゆき氏が、ブログ内で名づけたネット用語で「人間関係も社会的な地位もなく、失うものが何もないから罪を犯すことに心理的抵抗のない人間」です。

今作品の『JOKER』を見ていると、日本でも頻発している、無差別な”JOKER”による殺人事件を思い起こしました。

記憶に新しい事件として、『京都アニメーション放火事件』『川崎市登戸通り魔事件』『黒子のバスケ脅迫事件』『福岡IT講師殺害事件』数年以内に、何件も似たような事件が起きています。

共通しているのは、いわゆる”無敵の人”が、社会から切り離され、家族からも絶縁状態で仕事もろくにせず、「自分が死ぬ前に何かしてやろう!」自己顕示欲から起こす無差別な殺人、もしくは妬みから言いがかりの因縁をつけての殺人です。

この上記の4つの事件の犯罪者が、社会とも家族兄弟とも切り離された環境で起こった犯罪だとわかります。

自爆テロのように起こされる殺人のため、詳しい動機などが語られないままの、痛ましい事件もありますが、この起こした犯罪者の生い立ちを調べると、イジメや、実父が自殺など、辛い過去を背負っていることもわかります。

『川崎市登戸通り魔事件』の3日後、官僚のトップ、事務次官まで上り詰めた76歳の父が、44歳の引きこもりの息子を刺殺するという事件も起きました。

家の近所で開かれていた小学校の運動会の音について「うるせーな、子供ぶっ殺すぞ」とその息子が発言したことから、その父は「(数日前に起きた)川崎市の事件が頭に浮かんだ。自分の息子が第三者に危害を加えるかもしれないと思った」と殺害した理由を話した。

80歳にもなる親の年金を、50歳の息子が頼りにして、ひきこもり生活をしている8050問題が、日本にも社会問題としてあり、作中の”JOKER”のような人間を生み出していると考えられました。

 

「一人で死ねよ」論争

 

このような無敵の人が、犯罪を起こした場合必ず巻き起こるのは「一人で勝手に死ねよ」「巻き込むなよ」このような言葉です。

仰られる通りなのだが、それを言ったところで一切、状況は変わらない。

『黒子のバスケ脅迫事件』の容疑者が、裁判の終わりにこのように叫んでいる。

「こんなクソみたいな人生、やってられないから、とっとと死なせろっ」

こいつらにとっては、火に油を注ぐような発言である。

彼らの目的は、最後にどんな形であれ目立ち、俺たちみたいな人も居るんだぞ!!と世の中に訴える為に、最後のメッセージとも言える殺人を犯すのだ。

世間に騒いで欲しくて、歪んでいるが自分が話題の中心になりたいのだ。

お笑いの大御所、松本 人志が、『ワイドナショー』でこのような発言をしている。

「僕は、人間が生まれてくる中でどうしても不良品って何万個に1個、絶対これはしょうがないと思うんですよね」

JOKERや無敵の人になって、殺人を犯した人たちは、生まれながらにして、元々、不良品だったのか?

JOKERも、母のために初めは健気にお金を作ってあげていたんです。優しい人だったんですよ。

いろんな人からの冷たい言葉、社会からの冷たい対応などで、徐々に人格も変わっていきます。

 

・JOKER生まれない社会が理想

落合陽一さんも言っていたのだが、「1人で死ぬか、巻き込んで死ぬかの対立構造になっているのが、そもそも間違っていると。

爆笑問題の太田さんは、自身の経験からこのように語っている。

 

「俺なんか同じ50代ですけど、高校生ぐらいの時に何にも感動できなくなった時があったんですよ。モノ食べても味もしない。そういう時ってこのまま死んでもいいんだっていうくらいいくんだけど、そうなったら人の命も。自分がそうなら人の命も大切には思えないよね」

 

その時に、俺のきっかけだったけど、美術館でピカソの絵見たときに、感動が戻ってきた。「表現ってこんなに自由でいいんだ」と気づけて、そこからいろんなものが好きになる。

 

好きになるってことはそれに気づけた自分が好きになるってことで。人でも文学でも映画でもなんでもいいんだけど、そういうことに心を動かされた自分って捨てたもんじゃないなって思うと、ほかの生きてる生物や人間たちの命も、やっぱり捨てたもんじゃないなと思える

作中のJOKERにも心の拠りどころに、なっているものがあるのですが、最後には”それ”にも裏切られ、なにかがはじけてしまいます。

もちろんやってることは、最低最悪の凶悪な犯罪者なので、許してやれとかそういうことを言いたいわけでは無いのだが、裁判官でも検察でもない私たちは、このような事件が起きないように考える必要があると思います。

”無敵の人”になってしまう前に、なにかはじけてしまう前に「巻き込んではいけないが、貴方も死んではいけない」と1人でも言ってくれる人が周りに居たならば、JOKERも生まれなかったのだろうと思いました。

Forward

 

 

One Response

  • 私自身、アーサーみたいな精神疾患を抱えており色んな精神科や作業所を転々としてました。アーサーみたいな人は作業所に山ほどいるので驚くというよりある種の親近感がありました。この作品は賛否両論でしょうが未だに私の脳裏をよぎります。名作だと思います。昨今の殺人事件。京アニやら秋葉原の事件とか…見てる我々はあんなイカれた奴は死刑にすればいい。消去すれば解決すると言いますが、結局メディアでも何故彼らが無敵の人になるのかまでは報道しません。日本の闇であり病みですね。
    共感できる人できない人色々いらっしゃるとは思いますがどちらかというと男性の方が大なり小なり共感やカタルシスを感じる作品なのではと思いました。もちろん女性でもアーサーのような境遇に少しでも近いならわかるかもと言う方がいますが、男性の方が虜になる、ある種の中毒性すらある作品だと感じました。やはり主人公が男性だからかな??女性は心理的に異性としてみるからか没入しにくいキャラなのかも(^-^;これは私の偏見です。ただ母性がありますからアーサーに対して何からしの感情はあるとは思いますよ。

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