どうもキヨシロー(@RevoKiyo)です。私たち、日本人の”カントリーミュージック”とは、演歌であるが、国民が愛して、かつ海外の人が日本の音楽とは?と聞くと、J-POPであるということに異論は無いと思う。
最近でいうと日本では、米津玄師プロデュースのFoorinという子供たちが歌う、『パプリカ』という曲が大流行している。
一方、アメリカでは『OLD TOWN ROAD』という曲で、【Billboard Hot 100】のチャートで17週目の1位を達成し”最も長く、1位を獲得した楽曲”となった。
この偉大な記録を打ち立てたLIL NAS X(リル・ナズ・エックス)の偉業と、カントリーミュージック × ヒップホップ=カントリーラップという音楽で、ジャンルの垣根を越えた、HOT100のチャートのトップにランクインされることになった。
LIL NAS Xが、黒人音楽であるヒップホップで”白人音楽”、カントリーミュージックとしても評価されるという、素晴らしい出来事が起こったことについて歴史を振り返りながら、語ろうと思います。
目次 ・カントリーミュージックとは? ・黒人音楽のリズムの刻み方 ・白人で初めて、黒人の音楽を奏でた人 ・LIL NAS Xの偉業 ・さいごに
・カントリーミュージックとは?
この前代未聞の大ヒット中の、『OLD TOWN ROAD』ヒットの裏には、いろんなストーリーがある。元々は、ソロでリリースした曲で、”カントリーラップ”と呼ばれているが、ビルボードのカントリーチャートから、音楽的構成を理由に外られることとなる。
これを理由に各メディアなどから、「黒人差別だ!」と批判されることになるのだが。
それを聞きつけた、カントリーミュージック歌手の、マイリーサイラスの父である、ビリー・レイ・サイラスがリミックスという形で、参加し、この音楽を大ヒットさせることとなる。
このPVもいろんな”意味深”なストーリーが読み取れる。
今回は、カントリーミュージックの音楽的構成というものをまず語りたい。
カントリーミュージックとは、アメリカ南部で主に、白人たちが好んで聞いた、いわゆる白人音楽だ。
このカントリーミュージックは、現代にも影響を与えるものとなっています。
あのテイラースウィフトもカントリー音楽出身の歌手です。
カントリー音楽史上”最も重要な人物”と呼ばれる、ハンク・ウィリアムズの『Jambalaya』という曲を聞いてみてください。
1拍目と3拍目が強調されていることが分かります。
カントリーミュージックは、ドラムの打ち方や、リズムの刻むところが、表拍で強調されることが多いです。
いわゆるこの頃の白人音楽は、表拍での音の取り方でした。
・黒人音楽のリズムの刻み方
アール・パーマー・・・バックビートを広めたドラマー。
一方、アールパーマーというドラマーがはじめて裏拍バックビートを初めて明確にレコーディングし、今ではポピュラー音楽でも当たり前に行われている、リズムの刻み方を誕生させたのはこの方です。
ぜひこの『Fatman』という曲が世界で初めて、バックビートが明確に収録された音源となります。
聞いてみてください2拍目と4拍目が強調されています。
アールパーマーのバックビート、ロックンロールを生んだと言っても過言では、ありません。
・白人で初めて、黒人の音楽を奏でた人
エルヴィス・プレスリー・・・黒人の音楽、奏法を白人で初めて行った、革命的なアーティスト
黒人たちの、露骨に性的な表現や、死の音楽を敬遠し、あまり受け入れられていなかったが、リズムだけは10代20代の若者に受け入れられていきました。
そして、エルヴィス・プレスリーは、白人にして、初めて黒人音楽のリズムの取り方、上記で書いた裏拍・強烈なバックビートと乱暴なドラム演奏で聴いたものに衝撃を与えます。
ラジオで流れてきたときは、黒人のアーティストが歌っていると勘違いした人が、多数居たという話や、卑猥な腰の動きで、テレビでは上半身のアップしか放送されなかったという逸話もあります。
では初期にヒットした、『Hound Dog』という曲を聴いてください。
おそらくは、私のブログを読んでいただいているので私も含め、ブラックミュージックを愛している方も多いと思います。
ただ、この『Hound Dog』や、エルヴィスプレスリーのサウンドは、グルーヴ感を感じると思いますし、「好きだ!!」と感じることだと思います。
・LIL NAS Xの偉業
黒人音楽のブルースと、白人音楽のヒルビリー・カントリーミュージックなどの音楽が混ざり、50年代のロカビリーが生まれました。
そして60年代の、ロックンロール【ビーチボーイズ】【ザ・ビートルズ】に発展していきます。ビーチボーイズは、載せませんが是非聞いていただきたいのですが、バックビートで歌詞は、上流階級の青年などに愛されそうな歌詞です。
ロックンロールは白人が歌っている音楽のイメージがあると思います。白人のアーティストが、黒人の音楽を奏でると、それは白人音楽と呼ばれて、浸透していきました。
ただ、黒人の方々が、白人の音楽をしても認められず、浸透しなかった歴史があります。
ラッパーのエミネムも、黒人音楽のヒップホップで勝負し、成功しています。もちろん、人種的に苦労されたとは思いますが・・・
このLIL NAS Xの『OLD TOWN ROAD』は黒人でありますが、白人音楽の”カントリーミュージック”として、人種問題を超えて全米で大ヒットし、17週連続1位というすばらしい記録を打ちだしたんだということです。
・さいごに
一時はカントリー音楽のチャートからは、外されてしまい、炎上したLIL NAS Xの『OLD TOWN ROAD』ですが、確かにトラックは、カントリー音楽的な要素はあまり無く、紛れもなくヒップホップ的だと思います。
30ドルでネット上で購入したインストゥルメンタルです。当人もカントリー音楽を意識して、作ったわけでは無いと言っています。西部劇のPVを見るまでは、カントリー音楽だなとは思えないという気持ちはわかります。
ただ、人種を超えてカントリミュージシャンのビリー・レイ・サイラスをフィーチャリングに迎えて、前代未聞の記録を打ち出せたのは、ジャンルの壁も超え、人種の壁も超えて、全米の人に「これは、カントリーミュージックだ!」と白人の方からも愛され、ヒップホップが大好きなアメリカの若者たちも「アメリカのカントリーミュージックはヒップホップなんだ!」と言わんばかりです。
エルヴィス・プレスリーが人種の壁を越え、新しい音楽を生み出してから、長すぎる月日が経ち70年。
黒人の方がラップして、ヒップホップを「カントリーミュージックだ!」といえば、認められる世界になりました。肌の色が白だったら、黒だったら・・・ドラムやベースの1拍目や3拍目にアクセントが・・・などのそんな小さな話は、無駄な話なのかもしれませんね。
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