どうもキヨシロー(@RevoKiyo)です。”あいみょん”たる日本のアーティストが、流行っているらしい。あまり知らなかったのですが、彼女がよく聞いており、この前カラオケで歌われてゾっとする歌詞だった。
『貴方解剖純愛歌~死ね~』/あいみょん あなたの両腕を切り落として 私の腰に巻き付ければ あなたはもう二度と 他の女を抱けないわ あなたの両目をくり抜いて 私のポッケに入れたなら あなたの最後の記憶が 私であるはずよね
こんな歌詞だ。共感はできないし、明らかに病んでいる。
そしてこの楽曲を好んで聞いて、カラオケで私に歌ってくるということは関係に問題があるのか。
それはさておいて、この”病みカルチャー”と呼ぼうか、”鬱カルチャー”と言おうか、こういった歌詞や歌が世界を席巻している。
1995~2010年の間に生まれた、いわゆる”Z世代”に支持・共感を生んでいる。
目次
- XXXTENTACIONはなぜヒットしたのか?
- LIL PEEPは、なにを思いつめていたのか。
- 17歳で世界を熱狂させた、ビリーアイリッシュ
- 若者はなぜ病み、それらに共感するのか
- 幸福感とは、お金以外の何か
- 彼らと、どう付き合うか
- さいごに
・XXXTENTACIONはなぜヒットしたのか?
SAD! / XXXTENTACION Who am I? Someone that's afraid to let go, uh 俺は何者だ? 別れることを怖れている男さ You decide if you're ever gonna let me know (yeah) 僕に伝えようとしてるなら覚悟しなよ Suicide if you ever try to let go, uh 別れるつもりで自分の命を絶つのか I'm sad, I know, yeah, I'm sad, I know, yeah 俺は悲しい、そうさ本当に悲しんでいるんだ
XXXTENTACION(XXXテンタシオン)/ SAD! のミュージックビデオだ。
これは、自分の葬式から始まるストーリーで、このビデオは2018/06/28に公開された。
ただ彼は、2018/06/18に銃撃され殺害される。
1998年生まれの、20歳でこの世を去った。
明らかに、拝金主義・性的・暴力的ないわゆる今までの”ヒップホップ”というジャンルの楽曲とはまったく異なる歌詞で、自分を嫌っているような【自己嫌悪】を表現しているのだ。
これが共感を生んでいるのか、孤独さを感じる。
・LIL PEEPは、なにを思いつめていたのか。
Life is Beautiful / Lil Peep Isn't life beautiful? I think that life is beautiful 人生は美しくいものでは無いのか? 俺は人生を、美しいものだと思っている。 I think I'ma die alone inside my room 俺は自分の部屋で、一人ぼっちで死ぬんだろうなぁ。
LIL PEEP(リル・ピープ)人生は美しいと歌いながらも、最後はこの一文で締めくくられる。
身の回りの”死”を哀しみながらも、自分は”死”への憧れを感じられる一曲。
彼もまた、2017年11月15日にドラッグの多量接種により20歳で、人生に幕を閉じた。
・17歳で世界を熱狂させた、ビリーアイリッシュ
2億回以上再生されている、17歳にしてポップアイコンとなった、ビリーアイリッシュ。
上のミュージックビデオ【bad guy】も、和訳した歌詞を見るといろいろ出てくるので、見ていただきたい。
一聴、bad guy,悪い男の曲かと思いきや、自分の中の二面性や自己矛盾を歌っている曲だとわかる。
彼女も鬱や、不安、自己嫌悪に悩まされながらも、そういった感覚と上手く付き合おうとする若者だ。自身でもそう話している。
最近出た、インタビューでも彼女はこう答える。
「助けを求めることで人は弱くならない。 友達に話すことや、セラピストに会いに行くことであなたが弱い者になるわけじゃない。 人に助けを求めて弱い者扱いされると考えるべきではないし、 誰かに助けを求められるようにならなきゃいけない。
・若者はなぜ病み、それらに共感するのか
私も含め、寝る前までインスタのストーリーを見て、起きてベッドから出る前に寝ころびながらもインスタのストーリーを見てる。
それはなんとなく見てるんだが、潜在的に自分が寝てる間、家に居る間『友達はなにをしていたんだろう?』と気になっているんだろうと思う。
それは、インスタだけでなく、TikTokやツイッターになり替わる人も居ると思う。この中毒性があり、便利なインターネットに良くも悪くも振り回されるわけだ。
ネットの世界では、周りとのあらゆる差が如実に分かる。自分は『何者かにならなければいけない!』と強迫してきているかもしれないし、スマホが自分に『孤独』を突きつけるツールになっているかもしれない。
上のアーティストは皆、1995年以降に生まれた人達だ。そして、この1995~2010年の間に生まれた”Z世代”と呼ばれる方たちが、学生になり、卒業して社会に出て、経済活動・消費活動を行うのが今も含め、今後メインになる。
彼らは、生まれたときからネットに触れ、当たり前のようにスマホの世界の中で生きる。
そんな中で、生まれたのがこの『病カルチャー・鬱カルチャー』であると考えている。
彼らは、なにを求めて、なにに共感するのか。彼らの価値観はどこに向いているのかを考える必要があると思う。
・幸福感とは、お金以外の何か
アメリカや日本などのある程度、裕福な国で生まれた若者たちは、自分の人生の中でなにを求めて生きていくのかに悩んでいるんだろうと思う。
家を持ち、車を持ちといういわゆる”幸せ”がそろった環境下で生まれた人たちは、新たな”幸福感”を見つけようとしている最中であると。
アメリカは特に、発展真っ只中で今後もおそらく発展し続ける。そんな中若い人たちは、親世代が多大な努力をして、家や車を持つことに成功しているのを身近に見ている。
その子たちの世代は、高級車に乗りみんなに見せびらかし”モノを持つことが幸せ”なんだと感じる人は少なくなっているんだろう。
その一周回った後の”幸福感”を探し彼らは、彷徨っているのか。
・彼らと、どう付き合うか
私も、こういった世代と交流する中で、どうやって付き合っていくか、なにを目標とさせどういったビジョンを描かせるかということに悩むことがあります。
会社でも、新しく入ってくる従業員は、高校生のアルバイトや18歳~20代前半の子たちが活躍しています。
今までは、「頑張って結果を出せば、こんなに稼げて・・・」みたいなものを見せれば、モチベーションが上がっていたので、わかりやすかったのですが、明らかに彼らの世代は、違う『何か』を探しているのです。
働き方も給与収入よりも、自己決定することに重きを置いているようで、自分のペースで働き、やりたいことをやるという具合に。
かつての日本は、自営業や農家が多く勤務時間は10時間を超えることなんて当たり前でしたが、過労死はなかった。
自分たちのペースで働けるからです。明治時代以降、西洋の文化が入ってきて、私生活と仕事を完全に分け、8時間みっちり効率的に働くという方向にシフトして、今に至ります。
ただ、それが令和に変わり、感覚や働き方も変わろうとしているのだと思います。
ゴリゴリの体育会系の中で、がむしゃらに寝る間も惜しみながら、やってきた私にとっては難しいところです。ただこの彼らの世代がメインで働く時代がやってくるので、どうやって、なにを見せるかを私自身、模索しているところです。
・さいごに
『3年A組-今から皆さんは、人質です- 』というドラマが最近大ヒットしました。高校生が自殺し、ネットとの関係性などを題材にした物語でインターネットという便利なものに少しうんざりし、病んでるひとが多いのかもしれません。
でもネットを切り離すことはできないですし、ネットが孤独から救い、孤独を感じさせているのかもしれません。
皆が皆、直接的にイジメられたり、炎上したりしたわけではないですが、疲弊感を感じており、この『病み・鬱カルチャー』にスポットライトが当たっているのでしょうか。
若くして死んでしまったアーティストの言うとおり、死に憧れを抱いておりますが、人間は死があるからこそ今を生きて、頑張るんだと思います。
もし死ななければ、やるべきことを全部後回しにしてしまいそうですしね。
死があるからこそ、どういう風に生きるかを考えて目の前のことをクリアしていくだけです。
Teejay / Owna laneでは、自分の道を助けもいらず強く、進んでいくと歌っていますが、まったく異なりますね。
あなたはどちらに共感を覚えますか?
Forward